私の失敗
O—アミノジフェニルの不良品
北村 元仕
1
,
有松 芳子
1
,
山崎 京子
1
1日本専売公社東京病院検査科
pp.601
発行日 1961年9月15日
Published Date 1961/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905882
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血糖の定量にO—アミノジフエニル法(柴田変法)1)を導入してから能率ががぜん上昇した。操作が1段階で何より簡単であるし,はじめて作つた検量線にして胸のすくような直線性と良好な再現性である。まれにでる混濁や調製したての試薬が使えないなどの問題があるが,それらにもまして本法の簡易性はその価値を決定づけ,検査の要求も能率化に応じて著増した。
そんなある日,異変がおこつた。呈色調が一様に低いのである。ブドウ糖標準液の吸光度も弱い。検量線は引けるけれども,色調が黄緑色でなくむしろ黄橙色である。試みに,濃厚なブドウ糖液(1,000/dl)で発色させると濃い橙褐色。明らかに,O—アミノジフエニルの反応ではない!
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