特集 感染症診断へのアプローチ
各論
1.敗血症・感染性心内膜炎
舟田 久
1
Hisashi FUNADA
1
1富山医科薬科大学医学部感染予防医学講座
pp.1270-1283
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903888
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はじめに
医学や医療の進歩,生活環境の変化とともに,感染症は著しく変貌している.伝染力の強い感染症は鳴りを静めたが,重篤な基礎疾患に対する治療の進歩は易感染性宿主,ひいては日和見感染症の増加をもたらした.とりわけ敗血症は,感染性心内膜炎も含めて,放置すれば早晩死を免れず,予後は早期診断と適切な治療に左右される1).
敗血症や感染性心内膜炎の疾患概念や定義の明確化は早期診断を容易にした.しかし,適切な治療には微生物学的診断が必須であり,いまだに血液培養による菌の検出がその主役を演じている.
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