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書評 みるよむわかる生理学—ヒトの体はこんなにすごい
中尾 篤典
1
1兵庫医科大・救急・災害医学
pp.899
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200420
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基礎と臨床の橋渡しをしてくれる,全ての臨床医にお勧めしたい本
医学部の学生の頃に学んだ生理学は,何とも難解で,拒絶にも近い感情を持っていたことを記憶している.本来生理学は医学の中心をなす最も大切な分野であるといっても過言ではないが,医学部の過程の比較的初期に学ぶため,その大切さに後から気づくことが多いように思う.小生もまさにその類に属し,生命科学の基盤であるべき生理学の重要さを最近,学生に臨床医学を教える立場になって再認識している.
岡田隆夫先生により執筆された本書は,もともとは薬剤師向けの雑誌に連載されていたものであり,21の臓器・機能別の項より成っている.平易な文章で簡潔に書かれているため,読み始めると一気に読み進めることができるが,小生はあえて,オフィスのソファに横になり,救急患者さんの検査結果が出るまでの待ち時間を利用したり,移動の電車中などを利用して読んでみた.それくらいどこから読んでも,気楽に生体の機能とメカニズムを理解することができる好著である.
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