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検査血液学会では,血液の臨床検査にかかわる技師,医師,産業人が一堂に会し,さまざまな角度から議論を深めることができる.東京大学で開催された第1回学術集会では,特に検査技師の人たちが喜々として参加していたのが印象深かったが,今回ははやくも第7回となった.
検査技師にとっては,普段はルーチンワークに追われ接することの少ない臨床的事項と検査との関連を意識し,新しい技術や知識を吸収する,あるいはそのきっかけが得られることに大きな意味があると感じる.新たな試みであった「形態を中心としたケースカンファレンス」は,症例報告形式の発表会場,2日間にわたって提供された鏡検会場ともに予想以上の盛況であった.多くの参加者にとってこのようなディスカッションの場が日常少なく魅力的だったのかもしれない.教育講演,セミナーなどでも,血液疾患の臨床像や,診断や診療における臨床検査の位置付けについての内容が目立った.例えば,教育講演として「汎血球減少症の臨床病態と検査血液学的特徴」,「NK細胞腫瘍の臨床病態と検査血液学的特徴」,「高齢者における血液疾患の特徴」,「臨床検査による血小板機能の評価」,またテクニカルセミナーとして「凝固線溶検査の臨床的意義とエビデンス」,「症例に学ぶスクリーニング検査から診断へのプロセス」などである.このような臨床的知識は,検査技師が日常業務を行ううえで必須ではない.しかし,医師と共通の基盤のうえで議論できる力は,検査室の運営を考える場合はもちろん,思わぬ検査結果が出た場合の対応や検査についての医師との日常のやりとりのなかで活かされ,より良い検査につながる.そのためには継続的な努力が必要だが,きっかけとして学術集会の際の講演やセミナーが役立つと思われる.
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