Japanese
English
研究
日本人のHIV感染患者尿にみられた結晶
Abnormal Urinary Crystal Found in Japanese Patients with Human Immunodeficiency Virus
長濱 大輔
1,2
,
岩谷 良則
2
,
高松 純樹
1
Daisuke NAGAHAMA
1,2
,
Yoshinori IWATANI
2
,
Junki TAKAMATSU
1
1名古屋大学医学部附属病院検査部
2大阪大学大学院医学系研究科保険学専攻
1Department of Clinical Laboratory, Nagoya University Hospital
2Course of Health Science, Osaka University Graduate School of Medicine
キーワード:
不明結晶
,
薬剤結晶
,
HIV感染患者
,
HIVプロテアーゼ阻害剤
,
Indinavir結晶
Keyword:
不明結晶
,
薬剤結晶
,
HIV感染患者
,
HIVプロテアーゼ阻害剤
,
Indinavir結晶
pp.815-819
発行日 2004年7月15日
Published Date 2004/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100538
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〔SUMMARY〕 尿中不明結晶は,日常の尿沈渣検査では同定できない結晶である.それは,針状を呈する薬剤結晶が多い.今回,われわれはHIV感染患者尿に数種の異なった形態を呈する不明結晶をみた.投薬内容を調べたところ,プロテアーゼ阻害剤であるIndinavir(インジナビル)が共通に投与されていた.これより,不明結晶とインジナビルを赤外分光分析法で定性分析したところ,同一の物質であることが判明した.さらに,尿中インジナビル結晶陽性者に軽度な腎障害を認めた.その原因は,水に難溶なインジナビルが尿細管あるいは集合管に結晶として析出するためである.臨床的には,尿中インジナビル結晶をチェックすると同時に患者に十分な水分摂取(通常量+1.5l/日)を促さなければならない.これはクリスタル腎症,腎結石,結晶性急性腎不全などを回避するのに重要である.
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