病院管理トピックス
[放射線]コメディカル部門における日米格差/[薬剤]病院内における薬剤部の新たな展開・1—外来患者の服薬指導に取り組む
海老根 精二
1
Seiji EBINE
1
1国立東京第二病院放射線科
pp.900-901
発行日 1991年10月1日
Published Date 1991/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903713
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麻酔士?麻酔医?
5月の半ば頃,病院の外科医の所にアメリカからの訪問者があった.アメリカからといっても外見もなかみも日本人である.それも女性である.彼女は麻酔士と名乗った.病院の外科医が3年程前に留学していた大学病院に勤務していた縁で今回の訪問になったらしかった.麻酔士という聞きなれぬ職種に好奇心を刺激されて集まった人々から幾つも質問が飛んだ.会話が進むにつれて,驚嘆と羨望と不安に似た疑問などがなりまぜになって座を支配した.その時の質問と答を要約すると次のようになる.
まず,彼女の日常勤務の内容だが,聞いた限りでは私どもが病院で見ている麻酔医の仕事そのものである.彼女がはじめ麻酔士といった時には麻酔医の手伝いぐらいを想像したのだが,彼女は麻酔医の監督も制限も全く受けることはなく,患者の麻酔の計画を自分でたてて実行するという.それでは麻酔医と変らぬではないかときくと,そういうことになるという返事である.この辺は,40年近く“医師の指示”に基づいてX線撮影をして来た私の頭に理解不能の部分を残した.そうなると待遇も麻酔医とほとんど変らないと聞いても,そりゃそうだろうと半ば自棄気味に納得したのである.
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