時評
ヘリコプター搬送と医師添乗
箕輪 良行
1
Yoshiyuki MINOWA
1
1自治医科大学附属大宮医療センター総合診療部
pp.627
発行日 1991年7月1日
Published Date 1991/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541900973
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救急救命士の創設というハードルが政治的な追い風もあったのか一気に越えられた.病院前搬送というと医学的に扱われることが少なく医療の外という感が強かったが,今回はDOAの救命率で欧米(20%前後)に比べて,わが国が極めて低い(数%)というデータが説得力になったと聞いて,救急隊はじめ救急医療の現場に携わる医療人にとっては報われた思いであろう.実際には欧米レベルの蘇生率を確保するとしたら住民への心肺蘇生術の普及が最も大切だといわれているが,救急医療の底上げの第一歩として救急救命士の今後の活躍に期待したい.
さて救急患者のヘリコプター搬送もこの領域で長い間懸案事項になっている.これにはヘリの運用,設備や器材,スタッフ,収容施設などの諸問題があるが,医師の添乗に関していくつかの知見を紹介し意見を述べたい.
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