特集 効果的な案内とは
患者は何を問うて来たか—佼成病院外来案内にすわってみて
本誌編集室
pp.50-53
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205157
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予測と好奇心
‘百聞は一見にしかず’というけれども,何度も聞かなければ病院というところはわからない.しかるべき病院の外来にはだいたい‘案内’というプレートを立てたカウンターがあって,利用者(患者)はそこでわからないことを問うのだが,その質問の内容はさまざまである.‘案内’は,患者サービスに加えて病院の診療内容への理解を助ける意味で重要なポストである.進んでいるところでは,総合案内に婦長や保健婦を配置してかんたんなスクリーニングぐらいはやってしまおうということまで試みている,ときく.聞かれたことにただ答えていればよい,という域を脱した積極的な案内の利用,機能開発は確かに必要かもしれない.
さて,現実に患者(利用者)は外来を訪れたとき,案内にかけつけて何を問い,案内はどのように利用されているのだろうか.それに対してもちろん患者教育,PRを含めて診療内容と直結させうる——たとえばスクリーニングのような——案内になれば理想的であると思うが,問題は日々問われている内容であり,事実である.その事実を確かめるため,といえば大げさにすぎるが,利用者が案内へ問い合わせるナマの声を聞いてみることも参考になるだろう.見てもわからない,聞いたが迷ってしまったときは,てっとり早く利用者は案内に聞きにいくだろう.たずねる内容の中には,思いもよらない問い合わせがあるやもしれぬ.
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