随筆
こんな人がひとりでも多かったら
常山 貫司
1
1順天堂医院
pp.32
発行日 1964年2月1日
Published Date 1964/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202290
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雪深い上越沿線の田舎町に別れをつげ,新しい生活を東京に求めて,去る九月上京した。初の新春を迎えるに当つて過去を顧み、行く先を仰いで誠に感深いものがある。決して感傷ではない。過去になずみたくもない。これからの指標として過去を活かし得たらと思うからだ。
世は高度の経済成長を遂げている。社会も経済も政治も構造の改革が進んでいる。しかし人間そのものの内面構造が変わるわけでもあるまいし,よし遠い将来変わっても人間性には普通の要素があるはずだ。
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