特集 看護
保健婦助産婦看護婦法の10周年を迎えて
金子 光
1
1厚生省
pp.567-572
発行日 1958年7月1日
Published Date 1958/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201385
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
面壁9年の修業をつめば,10年にして"悟"が開かれるということは古くからいわれているのですが,保健婦助産婦看護婦の新しい制度に向つて満10年,難行苦行をしましたが,まだ修業が足りないのでしよう未だに悟りきれず,さまざまな"ぼんのう"になやまされています。ただ1つ,自信をもつことが出来たことは,新しい制度がその目標としてすすめて来た"看護"のあり方は,間違つていなかつたということであります。自分の職業をよく知り,誇りをもち,仕事に打ちこんでいる若いナース達が,多くの人々の期待に応えて保健婦として,或は助産婦として,又は臨床看護婦として医学や公衆衛生の進歩発達に大いに役立つていくことを信じつつ,読者はそのためのよき指導者であり,Co-wokerでもあつて頂きたいと希いつつ10年の歩みをふりかえつてみることとします。周知の通り昭和20年の終戦後は,敗戦の憂目をみた日本はアメリカ軍の指揮する極東軍の占領下にあつたのですが,日本の一般教育制度の改革が行われると同時に,医療関係者の教育に関する再検討が行われ,看護関係も又その最も大きな課題の1つでありました。
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.