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米國醫療關係調査團の病院に關する勸告—(承前)………(病院管理の諸問題)……‥
尾村 偉久
1
1厚生省国立療養所
pp.9-12
発行日 1950年3月1日
Published Date 1950/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200102
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米国薬剤師協会使節団の日本の病院薬局に対する調査観察
病院薬局は日本に於ては健全に発展しているように思える。保健所,診療所のみならす,病院に於ても,医師が診断し処方を書き,薬剤師が調剤するという理想的な医師一薬剤師関係が,普及している。この責任の分割の結果として,一方の專門学が他方の仕事を再確認する作用をし,各機能は,その道の専門教育を受けた者によつて担当され,かくして,公衆衛生上の利益が厳重に保護されているのである。薬事関係の活動において3人以上の医師の働いてゐる病院には,凡て1人の薬剤師も必要とするという条項のあることは,極めてよいことである。日本に於ける病院薬局は病院の一部門として適正に組織され,薬局長がその長である。管理業務,入院患者の調剤,外来患者の調剤及び製剤研究室等の多くの分課活動に加えて薬品試験室に有しており,薬局職員が相当な研究をする機会を供与しているのである。薬局部内の管理の事務に関しては,病院長の職にある者は薬局長に相当な責任とそれにふさわしい権限を委任している。しかしながら調剤関係業務の方針及び他の専門家との間の連繋については「薬学及び治療学委員会」の如き病院内の連絡グループを公式に設立する必要がある。この委員会により薬品の評価,規格化,及び使用法,薬局部内の方針及びその他の関係事項を考慮するのである。日本の病院薬局は,病院の大きさにくらべて極めて多数の薬剤師を利用している。
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