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編集後記
pp.236
発行日 1971年6月9日
Published Date 1971/6/9
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1518100445
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4月に行なわれた医学会総会のなかで,シンポジウム‘重症心身障害児(者)の問題点’を聞く機会がありました.5人の先生方が,それぞれ,臨床医学・神経生理学・神経病理学・リハビリテーション・行政的社会的立場から発言されました.
島田療育園の小林提樹氏は,重症心身障害児(者)対策の歴史的・社会的な背景をふまえて,リハビリテーションにおける問題点を話されました.なかでも特に印象深かったのは,リハビリテート不可能な子どもたちが厳然といること,そして,その子どもたちにとっては,リハビリテーションが可能だという幻想を与えることが,結果的にその子どもたちをそこなうことになるということ,さらにこれらの事実を知ったうえで,なおそういう子どもたちの生命を守る‘第5の医学’ともいうべき‘重症心身障害児(者)の医学’の必要性を訴えられたことでした.言外に小林氏の‘生命を守る’という気迫がうかがわれ,強く印象づけられ主した.
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