鏡下耳語
奇術雑話
堀本 昭夫
pp.1034-1035
発行日 1973年12月20日
Published Date 1973/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1492208009
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カップルの前には,それぞれが自由に選んだカードが裏向きのまま置かれています。私は,おもむろに男性に向つてカードの表を見る様にいいます。ハートの7!幾分緊張して見ていた囲りの人達が一寸ざわめき,中には笑い出す人もいます。私もアッと声を出します。なにしろ,予めカップルの相性を占うと称して一枚ずつカードを選ばせ,男性のカードと女性のカードとのマークがー致し,しかも男性のカードの数の丁度半分が女性のカードの数であれば吉,それ以外の場合は凶といつてあるのです。したがつて,男性のカードは偶数でなければ困ります。それが7とは……。
暫し困つて見せた後,囲りを静めてから,女性にカードを開ける様頼みます。全員の注視の中で開けたカードは何とハートの31/2。念の入つた事に,バートのマークも三つと半分ついています。「お目出とう」とカップルに祝福すると囲りは拍手喝采です。これは,私がもつとも好んで演じたテーブルマジックの一つです。
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