皮膚科圖譜・31・32
汗管腫/色素失調症の1例
平子 眞
1
1東大皮膚科
pp.661-662
発行日 1953年11月1日
Published Date 1953/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201070
- 有料閲覧
- 文献概要
22歳,男子,工員,昭27年夏頃より右上胸部に粟粒大丘疹發生し漸次下方へ擴大,増加して來た。現在側胸部より下方陰股部に至る全腹面に半米粒大,皮膚面より扁平に隆起せる,稍褐色調を帶びた丘疹状小結節が多數散在して居る。現在に至るまで疼痛,掻痒等の自覺症状は登くない。皮疹の状態は一見苔癬を思わしめる樣であつたが,好發部位たる四肢に,そして又顔面,背面にも全くなく,試驗切除を行い,組織學的に眞皮上層に索状の上皮細胞索,圓形乃至楕圓形の空泡状或いはヒアリン標物質を充たせる嚢腫多數存在するを認め,汗管胛重と決定せられた。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.