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Ⅰ.序
近年,わが国において,小児のみならず成人においても脱力発作,片麻痺,失語症,痙攣発作,視力障害,意識障害,とくに成人では蜘蛛膜下出血などの臨床症状をもつて発病する患者のうち,脳動脈撮影によつて内頸動脈終末部に原因不明の著しい狭窄ないし閉塞,および大脳脳底部あるいはその他の頭蓋内の部位に異常なモヤモヤした血管網が認められる症例が多数報告されている。工藤34)は異常血管網の大部分はWillis動脈輪の完全または不完全閉塞による正常血行の途絶に対する副血行路として生じると考えて,そのような症例を「W輪閉塞症」と称して,以下のごとき臨床診断上の基準を提示するとともに,これを一つのclinicopathological entityと考えたいと報告している。すなわち,1)両側内頸動脈の頭蓋内閉塞を示している。 2)閉塞部位はW輪の全部または一部に及ぶ。 3)内頸動脈の頭蓋外閉塞を伴うものは除外する。 4)現時点ではその原因は不明である。の4条件である。
1. An autopsy case of carcinoma of the lung occurring in a 66 year-old male was reported, whose characteristic clinical features were definite occlusion of the ending part of the bilateral internal carotid arteries and abnormal intracranial vascular networks found at the base of the brain, both revealed with cerebral angiography.
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