特集 困ったときの漢方—この症状に役立ちます!
【各論 この症状で「困った!」ときの漢方の使いドコロ!】
⓬小児の心身症に使える漢方薬は?
川嶋 浩一郎
1,2,3
1日本小児東洋医学会
2横浜薬科大学
3つちうら東口クリニック
キーワード:
小児心身症
,
漢方治療
,
陰陽太極論
,
夜驚症
,
過敏性腸症候群
,
起立性調節障害
,
四君子湯
Keyword:
小児心身症
,
漢方治療
,
陰陽太極論
,
夜驚症
,
過敏性腸症候群
,
起立性調節障害
,
四君子湯
pp.429-436
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204761
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こんなときに漢方を使ってみよう! 小児診療では、子どもの健やかな成長発達をサポートする視点が常に必要になるので、漢方医学で自然治癒力を扶助するというアプローチは適している。
小児はさまざまな環境に依存して、ストレスを受けながら成長する。心身が未熟で経験が少ないために、ストレス環境を自ら変えたり逃避したり、ポジティブに受け取ることが難しい。そのため不安や緊張、恐怖、抑うつ感情を抱きやすく、それらの感情を身体的不定愁訴として表現しやすいため、心身症を発症しやすい。小児の心身症には、乳幼児期に夜驚症や小児疳症があり、学童期には頭痛や腹痛、めまいを訴え、過敏性腸症候群(IBS)や起立性調節障害(OD)があり、思春期に至ると不登校などの適応反応症や抑うつ症を合併したりするが1)、それぞれの場面で自然治癒力を高める漢方アプローチは、心身発達を促し、心身を逞しくする効果が期待できる。
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