Urological Letter
新らしい精管切除術の試み/膀胱尿道固定と腟壁狭縮との併用
pp.41,79
発行日 1983年1月20日
Published Date 1983/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203495
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かなり前のことだが,標準的精管切除術の変法を思いついた。当時の主な目的は術後の睾丸痛を防ぐことであつた。従来の方法と違う点は精管の中枢断端はこれを開放したままにし,結紮も焼灼もしないことである。精管の適当な長さを切除したあとの末梢端部は普通の方法で結紮する。筆者はこの変法を10例近く行つた。しかし,この変法が失敗するのではないかという心配が絶えず,おじけづいて,この方法を中止していた。ところが,本法を施行した患者には1例も失敗はなかつたし,術後に長い睾丸痛を起こした例もなかつた。
精管の中枢断端からの分泌物の,いわゆる毒性にもかかわらず,精管炎を起こした者もない。また奇妙にも精液肉芽腫は1例も起こらなかつた。
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