Japanese
English
原著
脂腺母斑とSebaceous Pseudomalignancyの問題
SEBACEOUS NEVUS WITH SEBACEOUS PSEUDOMALIGNANCY AND PSEUDOBASALIOMA-TOUS PROLIFERATION
新井 春枝
1
Harue ARAI
1
1北里大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kitasato University School of medicine
pp.179-184
発行日 1976年3月1日
Published Date 1976/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201558
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45歳主婦.3年来緩徐に拡大する難治性,黄色調紅色の潰瘍が脂腺母斑下端に発生.病理組織学的所見は潰瘍辺縁部で基底細胞上皮腫様病変を示すが,主要病変は脂腺細胞類似の細胞で構成される小葉の集団であつた.小葉は表皮連続性,毛嚢との連絡もある.構成細胞に異型性,mitoseをみ,その配列は不整,真皮への不規則な侵入ある悪性腫瘍の像を有する.基質には著しい形質細胞浸潤を伴う.
以上の組織像は良性および悪性脂腺腫瘍のいずれにも属せしめることができず,発癌性病巣の母地である脂腺母斑に加えた外的刺激が誘因となつて発現したpseudomalignancyの状態と診断した.
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