書評
緩和ケアエッセンシャルドラッグ 第3版
元雄 良治
1,2
1金沢医科大学教授・腫瘍内科学
2金沢医科大学病院集学的がん治療センター
pp.102
発行日 2015年1月20日
Published Date 2015/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200500
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著者の知識と経験を生かし,臨床に役立つ要点をまとめたポケットブック
本書を持つと,そのコンパクトなサイズと適度な厚さのため,すぐ手になじむ。
まず,「本書の構成と使用法」が記され,それに続く「WHO必須医薬品モデル・リスト」「症状マネジメントの原則」「症状マネジメントの概説」「エッセンシャルドラッグ」から本書は構成されている。「WHO必須医薬品モデル・リスト(WHO Model Lists of Essential Medicines)」は最新の18版が2013年に公表されている。有効性・安全性・経済性を考慮し,主に開発途上国での最小限必要な医薬品が収録されている。特記すべきは,これまで腫瘍学のセッションに含まれていた緩和ケア関連薬剤が,「痛みと緩和ケアのための薬」として独立し,しかも成人用の30セクションのうちの2番目に位置付けられた点である。本書はこのリストを参考に,わが国の現状に適合させて選ばれた薬剤を扱っている。実際,「エッセンシャルドラッグ」の章には51成分(56薬剤)がリストアップされている。
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