連載 OBSTETRIC NEWS
羊水過少症(ロウリスク妊娠)に誘発分娩は必要か?(2)
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.190-191
発行日 2002年2月10日
Published Date 2002/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409905064
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Kreiser(スタンフォード大学)らは,ロウリスク妊娠の羊水過少症は周産期予後不良と関連があるかを後方視的に研究した.研究対象は単胎,未破水,非奇形,妊娠30週を超えた羊水量減少150例(93例AFI>5cm+<2.5パーセンタイル,57例AFI≦5cm)とした.分娩前胎児試験(NST+AFI)は週に1〜3回行い,適応は妊娠40週終了以降,前回周産期胎児損失,満期前子宮収縮,前回帝王切開,子宮内発育制限の疑い,妊娠後期性器出血,妊娠糖尿病(食餌療法),軽度喘息または胎動減少であった.その結果,分娩前胎児心拍数の変化と分娩予後は変動一過性徐脈出現頻度に有意差がみられた(63.1%vs 45.1%,p=0.007)が,その他は有意差がみられなかった(表1).新生児予後も両群で有意差がみられなかった(表2).AFI低値から分娩までは約2週間(16±19日:1〜74日)であった.NST異常のための誘発分娩は7.3%であった.以上の結果から,著者らはロウリスク妊娠の羊水減少例には,即刻遂娩に代わる方法として,集中的分娩前胎児試験の継続に有用性があることを示唆した(J Reprod Med 46:743,2001).
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