今月の臨床 新生児診療—産科医のためのポイント
分娩室内ケアの再評価
6.沐浴は必要か
山内 芳忠
1
1国立岡山病院小児医療センター第1小児科
pp.1124-1126
発行日 1996年9月10日
Published Date 1996/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902648
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従来,新生児はその出生において,“生か死か”に直面していた.したがって,新生児の生存に直接的にかかわる肺や心臓といった臓器の子宮外への適応,順応を中心に議論されてきた.しかし産科学,新生児学の進歩により胎児の状態,出生直後の新生児の状態も正確に把握できるようになり,新生児における人としての適応過程が大変注目されるようになってきた.とくに母子相互作用の観点から母子同室が見直され,母乳栄養,早期頻回授乳の役割が議論されている。
新生児の管理も大きく変わろうとしている.そのなかで,出生直後に習慣的に行われて来た“ルーチンケア”の意義も再検討され始めている.今回はその一つである出生直後の沐浴,産湯について母児の行動学的立場から考えてみたい.
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