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子宮卵管造影図譜—山口龍二著
篠田 糺
1
1岩手医科大学
pp.525
発行日 1965年7月10日
Published Date 1965/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409203296
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(序文より)
子宮卵管造影法は私には最も縁の深い,かつまた思い出の多いものである.昭和のはじめリビオドールが輸入されて,刺激のない造影剤として,脊髄膜腔や気管枝内に注入され,きれいなレ線像が得られることが判明したので,同じ体腔である子宮腔や卵管や腹膜腔にも安心して使える自信を得た。そして通気法よりはいろいろの利点が多いことを知つた,丁度そのころ九大で白木教授がHSGに先鞭をつけられて,子宮外妊娠の診断にも役立つことを発表された。秋は昭和14年まで東大分院に居て,不妊症の診断治療に専ら力を注いでいたから,HSGについてはいろいろの経験をした。そのうちでも,HSGと開腹所見と子宮内膜の顕微鏡所見とから,結核特有のHSG像を児出すことになり,従来不妊の主原因は淋疾に基因すると言われていたが,結核に基くものも非常に多いことを確かめ得るに至つた。
昭和14年東北大学に赴任した時は,ちようど熊谷内科で岡・片倉の結核培地が開発されたばかりの時であつたので,これを性器結核の診断に応用して,腟内容や月経血から結核菌を培養するようになり,岩淵君が最初にこれに成功した。
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