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文献抄禄
デーデルライン腟桿菌生菌による滞下の治療/性腺機能低下婦人の嗅覚
Olfactory perception thresholds in hypogonadal women: changes accompanying administration of androgen and estrogen
Y.K.
pp.683,733
発行日 1958年9月10日
Published Date 1958/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201811
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- Abstract 文献概要
デーデルライン腟桿菌の生物学的機能が,腟滞下の消長に本質的な役割を果しているのに,どうして滞下治療の目的でデ桿菌の生菌を直接腟腔内に移殖しようとしないのだろう。諸腫の薬物によつて,腟腔をデ桿菌の繁殖に好都合ならしめようと努力しているわけではあるが,それは結局間接的な方法に過ぎない。それに,デ桿菌はスルフォンアミド剤や抗生剤等に対して非常に敏感で,局所投与でも非経口・経口投与でも腟腔内から容易に消失し,この為,抗生剤投与時腸や口腔内にみられる所謂Dysbakterieと丁度同じ現象が起り、これけ治療の目的にはめまり効果がないように思われる。
正常の腟腔は,デ桿菌によつて生成された乳酸の為,pH4.5前後の強い酸性を呈し,これが腟の殺菌作用の基となつているのであるが,しかしながら,外界菌に対する繁殖抑制作用は決して乳酸だけによるのではなく,デ桿菌の代謝産物が乳酸よりも遥かに強い殺菌作用を有していることも関与している。この代謝産物の本体については未だ不明であるが,その殺菌作用は,緑膿菌・疑炭疸病菌等についてin vitroの実験で証明されている。
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