書評
―吉川史隆,倉智博久,平松祐司(編)―産科婦人科疾患最新の治療2013─2015
嘉村 敏治
1
1久留米大学医学部産婦人科学講座
pp.1059
発行日 2013年10月10日
Published Date 2013/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103517
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本書は産婦人科の診療領域である周産期,不妊内分泌,婦人科腫瘍,女性ヘルスケアを中心として,その中の代表的な疾患をその分野の専門家の執筆により,疾患概念とともに治療を中心に解説してある書籍である.簡潔によくまとまっており,産婦人科の日常臨床の中で座右の書の一つとしておいておく価値がある.
現在,産婦人科医療に関しては,日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会共同編集で『産婦人科診療ガイドライン産科編/婦人科外来編』,subspecialtyの学会である日本婦人科腫瘍学会からは『子宮頸癌治療ガイドライン』,『子宮体がん治療ガイドライン』,『卵巣がん治療ガイドライン』,日本生殖医学会からは『生殖医療ガイドブック』などが刊行されている.本書は冒頭にこれらのガイドラインの意義とその解釈についての解説を行い,役割分担をはっきりさせている点で,他の治療に関する刊行物とは趣を異にしている.さらに現代産婦人科治療の各分野におけるトピックスを総論的に解説しており,将来のガイドラインに入ってくる可能性のある治療も知ることが可能である.
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