今月の臨床 Urogynecology
Urogynecologyの基礎知識
1.女性骨盤底と泌尿生殖器の解剖
古山 将康
1
1大阪大学大学院医学系研究科器官制御外科学
pp.756-761
発行日 2004年6月10日
Published Date 2004/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100534
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はじめに
高齢化社会を迎え,QOLを左右する排尿,排便機能障害や性器脱に対して機能を重視した治療の必要性が叫ばれている.「pelvic floor disorder(骨盤底臓器機能障害)」を診断,治療するフィールドは,urogynecologyとして欧米では産婦人科診療の第4のサブスペシャリティーとしてすでに確立されている.Urogynecologyは排尿,排便,性交などの重要な骨盤機能を回復,維持させることが目的であり,そのためには骨盤底臓器の解剖学,生理学,病理学の的確な把握を前提とした診断と,それに基づくsite specificな治療法(保存的,外科的)が必要となる.特に産婦人科医がこれまであまり注目してこなかった泌尿器系,生殖器系の機能解剖学が特に大切である.
本稿では,尿道,膀胱,腟,子宮,直腸,肛門の骨盤底での解剖学的支持機構と,それに基づく機能について述べたい.
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