Japanese
English
症例報告
足趾屈筋腱腱鞘より発生した骨外軟骨腫の1例
Extraskeletal Chondroma from the Foot Flexor Tendon Sheath : A Case Report
松本 知之
1,2
,
松原 伸明
1
,
山口 晋司
1
,
高祖 清泰
1
,
松島 真司
1
,
山本 哲司
3
Tomoyuki Matsumoto
1,2
1公立和田山病院整形外科
2現:兵庫県立総合リハビリテーションセンター整形外科
3神戸大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Wadayama Hospital
キーワード:
extraskeretal chondroma
,
骨外軟骨腫
,
foot
,
足趾
,
flexor tendon sheath
,
屈筋腱腱鞘
Keyword:
extraskeretal chondroma
,
骨外軟骨腫
,
foot
,
足趾
,
flexor tendon sheath
,
屈筋腱腱鞘
pp.1485-1488
発行日 2002年12月25日
Published Date 2002/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903709
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:症例は34歳,男性.約15年前に初めて右足底部の腫脹に気付いたが,腫脹の増大傾向はなく,放置していた.2001年3月,運動後に同部の疼痛を自覚し当科受診となった.右第2趾MTP関節底側に,母指頭大の弾性硬の腫脹を認め,単純X線像で石灰化像,MRI像で筋肉と等信号の境界明瞭な陰影を認め,確定診断を兼ねて腫瘤摘出術を行った.腫瘤は屈筋腱腱鞘に由来しており,軟骨様の硬さ,白色光沢を有し,内部に多数の石灰化巣を認めた.病理組織学的所見では,腫瘍は分葉状の成熟軟骨組織よりなり,石灰化もみられた.以上より,足趾屈筋腱腱鞘より発生した骨外軟骨腫と診断した.骨外軟骨腫は比較的稀な疾患であり,病理組織学的に軟骨肉腫との鑑別が重要であり,腫瘤の大きさ,発育経過などの臨床所見を十分に把握して鑑別する必要がある.治療に関しては,癒着した腱鞘も含めて腫瘤を全摘出した.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.