国際学会印象記
First Musculoskeletal Infection Section Meeting, Asia Pacific Orthopaedic Association(APOA)に参加して
福田 章二
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1岐阜大学大学院整形外科学
pp.142-143
発行日 2007年2月25日
Published Date 2007/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100853
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2006年8月25日より27日までの3日間,インドで開催された1st Musculoskeletal infection Section Meeting, Asia Pacific Orthopaedic Association(APOA)に参加する機会がありました.開催地としてのめずらしさだけでなく,感染症の宝庫と呼ばれるインド国内の骨軟部感染症治療,成績について非常に進歩している現状を知りましたのでお伝えしたいと思います.
今回の学会はインドの首都ニューデリーから東南へ約600kmにあるカジュラホ(Khajuraho)という村で開催されました.周囲数百キロに大きな町もなく,現在は辺鄙な村にすぎませんが,9~13世紀に北インドを支配したチャンデラ王朝の首都として栄えた所です.最盛期には85の寺院がありましたがイスラム教徒などによる廃仏毀釈により,現存するのは20余りの寺院です.寺院の外壁に彫られた官能美あふれるミトゥナ像(男女交合像)の彫刻が世界的に有名で,寺院群は世界遺産に指定されています.そのため,田舎にもかかわらず,比較的設備の整ったホテルが多くあり,欧州各国や韓国,台湾などの外国人観光客が多いようです.それでも交通の便は至極悪く,ニューデリーからはガンジス川の沐浴で有名なベナレスを経由する1日1便の小さな飛行機しか飛んでいません.あいにく渡航前,インド最大の都市ムンバイで約200名が犠牲となる同時多発列車爆破テロがあり,3割ほどしか席が埋まらない飛行機に乗り,無事に帰国できるか不安とともにインドへの旅路となりました.
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