特集 外科と内分泌・1
〔外国文献抄録〕外科と内分泌
pp.66-74
発行日 1965年1月20日
Published Date 1965/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203518
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1)視床下部,下垂体および松果体
視床下部過誤腫による早発思春期
真正完全型の早発思春期に体質型と脳型とがある.体質型は女児に多く,男児にまれ,後者の多くは家族的.副腎性・睾丸性のタイプを除けば同性(isosexual)の早発思春期は大部分が脳型,つまり,視床下部性である.したがつて気脳写で診断できるのが多い.各種水頭症・脳炎・髄膜炎・多発硬化症などのほかに,腫瘍では松果体腫・クラニオ・神経線維腫・上衣腫・神経膠腫などが原因になる.これらに共通の傷害部位はⅢ脳室漏斗部の壁をなす中央隆起からやや尾側に偏つた付近である.Reichlin(New Engl. J. Med. 269:1182, 1963)によると,この部の小損傷が早発思春期発現に必須であるという.Loop(New Engl. J. Med. 271:409, 1964)は2歳9カ月少年に典型的な早発思春期を見つけ,気脳写で灰白隆起付近に小腫瘤を発見,開頭し経1cm球形のhamartoma剔除.諸文献からこの部のhamartoma 21例を集めるに,11例に早発思春期が合併,あとから早発思春期になつた2例がある.
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