Japanese
English
研究と報告
精神分裂病における精神症状に伴う自律神経機能の変化
Changes of Cardiac Autonomic Function in Association with Psychotic Symptoms in Schizophrenia
十一 元三
1
,
神尾 陽子
1
,
村井 俊哉
1
,
久保田 亮
2
,
稲熊 敏広
2
,
扇谷 明
1
Motomi TOICHI
1
,
Yoko KAMIO
1
,
Toshiya MURAI
1
,
Ryo KUBOTA
2
,
Toshihiro INAKUMA
2
,
Akira SENGOKU
1
1京都大学医学部精神医学教室
2水口病院
1Department of Psychiatry, Kyoto University Faculty of Medicine
2Minakuchi Hospital
キーワード:
Cardiac autonomic function
,
Psychotic symptom
,
Schizophrenia
,
Lorenz plot
Keyword:
Cardiac autonomic function
,
Psychotic symptom
,
Schizophrenia
,
Lorenz plot
pp.37-42
発行日 1998年1月15日
Published Date 1998/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904466
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【抄録】精神分裂病患者において,精神症状の変化に伴う自律神経機能の変化を調べた。対象は26名の入院患者で,服薬内容を変更しない状態で,1か月の間隔を挟んで2度にわたり自律神経機能を評価するとともに,陽性・陰性症状評価尺度を用いて精神症状を査定した。自律神経機能は,心拍変動に基づく評価法により交感・副交感神経機能を個別に調べた。11名の患者に精神症状の変化が認められ,この群において精神症状の変動に伴う自律神経機能を比較した。その結果,精神症状の改善時(あるいは増悪前)に比べると,改善前(あるいは増悪時)には副交感神経活動は低下し,交感神経活動は明らかな変化を示さなかった。精神分裂病における自律神経機能の変化には,精神症状が密接に関連していることが示唆された。
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