Japanese
English
研究と報告
摂食障害者における性格特徴—構成的文章完成法(K-SCT)を用いて
The Personality Traits of the Eating Disorders
大曽根 彰
1,2
Akira OSONE
1,2
1東京女子医科大学精神医学教室
2現,牛久愛和総合病院心療内科
1Department of Psychiatry, Tokyo Women's Medical College
2Ushiku Aiwa General Hospital
キーワード:
Eating disorder
,
Anorexia nervosa
,
Bulimia nervosa
,
Personality
,
Sentence completion test
Keyword:
Eating disorder
,
Anorexia nervosa
,
Bulimia nervosa
,
Personality
,
Sentence completion test
pp.617-624
発行日 1997年6月15日
Published Date 1997/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904343
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【抄録】入院治療に至った重症の20例の女性の摂食障害者に構成的文章完成法(K-SCT)を施行し,その結果を健常対照者と比較し,統計的検討を行った。
摂食障害者群では健常対照群と比べ,性や愛情に対する否定感情が強く,これが性的同一性,自我同一性の障害の基本となっていると考えられる。また世間一般の人に対する否定感情が強い一方,世間からの攻撃に対しては積極的にこれを受け入れる特徴がある。ここには恐れを抱きつつも攻撃は受容するという形の一種のマゾヒズムがうかがえる。さらに,不安の原因を自己の表面的な要因に帰着させる傾向がある。すなわち,内向的ではあるものの,内省よりも具体的な身体レベルに問題を見いだす傾向がある。
K-SCTの結果から抽出された成熟や愛情の否定,社会の批判への迎合性,葛藤の身体レベルでの処理の傾向などの特徴は,重症化した摂食障害者の心性の基本的要素に当たることを指摘した。
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