特集 精神活動とポリグラフ
テレメーター
斎藤 正男
1
1東京大学電子工学科
pp.201-202
発行日 1966年3月15日
Published Date 1966/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200973
- 有料閲覧
- 文献概要
無線テレメーター技術を中心にして,最近の電子工学の発達は,わずかながら脳波計測の技術に影響を与えつつある。脳波計そのものの小型化は急速に進められつつあるが,測定方法に革新をもたらすことはないであろう。これに対して脳波用のテレメーターは,現在のところ,脳波計のJIS規格を厳密には満たさないが,小型の電子装置を被検体に装着し,記録器などの本体から絶縁することにより,誘導雑音その他アーチファクトを容易に除きうるようになり,また同時に対象を無拘束の状態において観察しうるようになつた。
電子工学における装置の小型化の傾向は,とり扱う信号を多重化する可能性を意味し,多誘導の脳波あるいは他の種類の現象を同時に伝送することが考えられる。この後者の事情はまた,種々の現象に対する変換器と測定方法についての研究を要請している。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.