卷頭言
理化学者との協力
高安 正夫
1
1三重医大
pp.725
発行日 1955年12月15日
Published Date 1955/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200304
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医学の進歩に伴い各科の専門化が年々激しくなり内科・外科と云つたわかれ方の以外に研究其の他に於て同系統の疾患を縦に見た循環器とか血液結核と云う様な集りが都合がよいことが多いので次第にこれ等が盛大となつて本年の医学会総会では実に44と云う多数の分科会が其の華かさを競うことゝもなつた。専門化が進むにつれ其の極端の為に自分の限られた専攻部面以外は一般演説の理解すら困難な場合が屡々になつたとも云えると思う。
此の意味に於て内科のことなら何でもわかると云つた博識のかわりに医学者であつて物理学をよくするもの,化学に堪能なものと云つた人物が要望せられることにもなり,又逆に物理学者・化学者で医学を相当に理解する人物が之等の進歩に必要であると同時に之等両者の理解ある協力か是非共必要であると考えられるのである。近年我国に於ても之等のことが実現されて来たことはまことによろこばしいことゝ思う。
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