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編集後記
入口 陽介
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1東京都がん検診センター消化器内科
pp.951
発行日 2019年5月25日
Published Date 2019/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201774
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近年,早期大腸癌の診療における内視鏡の進歩はめざましく,拡大内視鏡・画像強調内視鏡から得られる表面構造や超音波内視鏡検査(endoscopic ultrasonography ; EUS)の分析により正確な術前診断が可能となった.しかし,表面型腫瘍に比べて隆起型腫瘍,特にPG(polypoid growth)type隆起型病変では深達度診断が困難な症例が少なくなく,内視鏡的ポリペクトミー後の病理組織学的診断で初めてSM浸潤と判明する病変も存在する.そこで,本号では,NPG(non-polypoid growth)typeとの相違を含めて,PG type隆起型早期大腸癌の定義と判定基準を病理と臨床(内視鏡)の立場から述べ,問題となる深達度診断を,各専門の先生から分析していただいた.
序説では,田中が,本邦の大腸癌取扱い規約と欧米のパリ分類との相違点に触れ,隆起型早期大腸癌の深達度診断は総合的なアプローチが必要であり,正確な術前診断なくして安易なポリペクトミーを行うべきではないと問題提起している.
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