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編集後記
pp.1362
発行日 1973年10月10日
Published Date 1973/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204948
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●膵の診断技術の進歩によって,膵疾患の確診例が各地で増えてきているとはいっても,触診からもX線からも遠く,特有な所見にも欠けるとなると,まだ膵疾患は一般臨床家にとって手の届かない疾患ではあるまいか.たとえば長い間,上腹部の愁訴が続いたとしても,まず頻度の上から胃腸疾患を疑うのが当然であろうし,胃腸にも特有の所見がないとなれば,慢性胃炎くらいで片づけられることもあろう.したがって,初診から確診まで優に1年くらい経過してしまうこともざらにあるという.急性腹症の形で開腹されるケースはまだしも,そうでなければ,まず疑診をおくこと,あとは特殊検査に頼らざるを得ないのが現状のようである.
そこで本特集では,疑診をおくばあいの診断基準を,また特殊検査の限界と危険度などを中心にグラフを組み,また座談会では実地に即した処置について解説していただいた.さらに,膵はX線からも遠いといわれるものの,腹部単純撮影の段階ですでに膵石の存在が疑われているCPCなども加えて,豊富な膵臓特集にすることができた.(H)
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