臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
X.内分泌系疾患の診断技術
1.機能検査一覧表
桐生 恭好
1,2
1日本鋼管病院内科
2慶大
pp.799-809
発行日 1970年5月20日
Published Date 1970/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203161
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最近,化学領域のめざましい進歩の恩恵をこうむり,内分泌学においては多くの血中・尿中のホルモンが直接に定量が可能となりつつある.とはいえ,とくに血中にごく微量に存在するホルモンの定量は簡単な操作ではなく,設備・人手,そして高価な試薬が必要であり,どこでも行なえるというものではなく,多くは大学や研究所の研究室でのみ行なわれているのが実状である,一方,内分泌学においては先人により各種の内分泌機能検査法が創案されていて,実際にホルモンを定量しないでも,その内分泌腺の機能状態を把握する努力がなされてきた.また古典的な内分泌学は視診を重視した学問で,内分泌系疾患のいくつかは,一瞥しただけで診断がくだせることも事実である.
近代内分泌学においてはこの3つ,すなわち理学的診察,機能検査,およびホルモンの定量をうまく組み合わせて診断をくだすのである.
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