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略語の解説・3
阿部 正和
pp.315
発行日 1968年3月10日
Published Date 1968/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202120
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ADH
antidiuretic hormone(vasopressin):抗利尿ホルモンで,下垂体後葉から分泌されるホルモンの一種。血圧上昇作用を有するバゾプレッシン中に含まれ,腎臓の遠位尿細管および集合管に作用して,水の再吸収を促し,尿量を減少させる作用を有する。その作用は,大量の水を飲んで,利尿状態にあるとき,とくにいちじるしい。ADHの分泌がなくなると,尿崩症になり,尿量がいちじるしく増加することは周知のとおりである。尿崩症がADHの欠乏によることは明らかであるが,このとき前葉の機能が正常に保たれていることが必須条件である。下垂体をとつてしまうと,尿崩症にならないことも知られている。
なお,ADHを含めて体内にある抗利尿物質を総称してADS,antidiuretic sub-stanceという。
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