連載 地方分権による保健医療福祉活動の展開・6
「健康日本21」と厚生労働省の役割
高宮 朋子
1
1厚生労働省総務課生活習慣病対策室
pp.422-426
発行日 2002年6月15日
Published Date 2002/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902748
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根拠に基づく政策決定と「健康日本21」
厚生労働省では,平成12年度より,中長期的な国民健康づくり対策の第三次の運動として,21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)を推進している.「健康日本21」の策定の経緯を振り返ってみると,平成9年の公衆衛生審議会健康増進栄養部会・成人病難病対策部会合同部会専門委員会によりまとめられた「今後の生活習慣病対策について(中間報告)」の中で,国民の健康に対して大きな影響等を与える疾病等について,総合的かつ具体的な達成目標,およびそのための手順を示した「健康日本21」の策定の必要性が謳われている.このような達成目標(ターゲット)を用いた公衆衛生施策は,経営学において用いられてきた目標管理手法を保健医療セクターに応用したものである.この手法は,明確な目標を設定することにより,関係者がこれを共有し,活動がより効果的に行われうるという考え方に基づいている.
同時に,根拠に基づく医療「Evidence-Based Medicine(EBM)」に呼応するように,健康施策における目標設定や健診サービスなど,個々の保健施策の実施にあたっても,これまで蓄積された知見を総合的に評価し,その結論に基づいて評価・実施するべきとの認識,すなわち「Evidence-Based Healthcare(EBH)」が広まりつつある.
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