特集 水と公衆衛生
生物および活性炭処理による浄水システム—福島県三春浄水場
遠藤 誠作
1
1福島県三春町水道課
pp.767-770
発行日 1994年11月15日
Published Date 1994/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901142
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◆水道事業の概要
三春町は,福島県のほぼ中央,郡山市の東隣に位置する人口19,827人の旧城下町である.本町の水道事業は昭和28年,市街地東部を流れる桜川を水源に創設された.当時の施設は集水した水を簡易滅菌して,配水池から給水するという小規模施設であった.そのため,需要を満たせず水源が枯渇し,昭和34年には緩速ろ過方式の八島川浄水場を建設したが,給水件数の伸びに対応できず再び水不足となり,昭和44年,大滝根川浄水場を建設するなど二度にわたって水源の移転を余儀なくされた.さらにこの施設が三春ダム建設により水没することとなったため,平成4年から2年をかけて三度目の移転を行い,平成6年4月,新浄水場の運転を開始した.ダム建設による浄水場の水没移転は全国的にも珍しい事例といわれる.
平成6年3月末の給水件数は3,837件,給水人口は13,554人,年間有収水量は1,289千m3,1日平均給水量は4,421m3で,5年度の給水収益は243百万円であった.
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