発言あり
検疫100年
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pp.833-835
発行日 1979年12月15日
Published Date 1979/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205975
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防疫行政は再び時代の脚光を浴びている
今月のテーマは「検疫100年」となっている.この1世紀の最後のほぼ1/5を公衆衛生領域の仕事に従事してきた一人として,この短かった20年の歳月をふりかえってみると,コレラをはじめとする輸入伝染病ないし検疫伝染病の推移には,いろいろな起伏があったことが印象に残っている.
20年前といえば,現在のような東南アジア諸国への観光ラッシュは想像もつかなかった時代である.そして1961年頃,インドネシアのセレベス島で発生したエルトール・コレラのアジア各地への流行があり,その頃,関東周辺にネットワークをもった某建設関係企業が防疫対策の一環として,コレラの予防接種を企画し,若輩の筆者も駆り出されてあちこちの事業所を訪問して回ったことが思い出される.結局,この時には,コレラのわが国への侵入は未遂に終わったと記憶している.
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