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2026年1月号となる本号は,総説1編,症例報告6編,手術手技3編,Video Articles 1編,Letter to the Editor 1編で構成されています.胸腔鏡手術のエキスパートに執筆いただいた「総説」は,「胸腔鏡とロボット支援手術で行えることと行えないこと」をはじめ,内視鏡手術の侵襲性や将来展望が網羅的に論じられています.「症例報告」は,わが国3例目となる幽門輪温存膵頭十二指腸切除術後の胃癌に対する腹腔鏡下幽門側胃切除術,妊娠希望のAYA(adolescents and young adults)世代鼠径ヘルニアに光をもたらす膨潤麻酔併用LPEC法(腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術),心房細動治療後の横隔膜弛緩症に対し症状と機能の改善が得られた胸腔鏡下横隔膜縫縮術,胸部手術後で横隔膜形成術が困難な胃軸捻転症に対する腹腔鏡下胃壁固定術,低侵襲性を活かした腹壁内神経鞘腫の腹腔鏡下切除,非常に稀な重複胆囊管をMRCP・DIC-CTを用いて術前に診断し安全に手術を施行した症例,の各論文から成ります.「手術手技」には,低侵襲性と安全性を兼ねた治療選択肢としての大腸LECS(laparoscopy endoscopy cooperative surgery),横隔膜病変を有する胸腔子宮内膜症関連気胸に対する2操作孔手術,術者のみで術野展開を行う単孔式ロボット支援下幽門側胃切除術が含まれています.「Video Articles」は,精緻なテクニックが随所に込められた腹腔鏡下膵中央切除術例が掲載されています.また,「Letter to the Editor」では,手術領域におけるタスクシフト/シェアの現状と課題が,腹腔鏡下胆囊摘出術における臨床工学技士によるスコープオペレーター業務導入経験を通じて論じられています.皆様の施設では,臨床工学技士との新たな職務連携としてこのような取り組みをされていますでしょうか?
内視鏡手術は,胸腔鏡・腹腔鏡全盛期からロボット時代へと発展を遂げる一方,人員や手術枠などによる制限,地域の特性,増大する医療コストの問題から,ロボット一辺倒に舵を切れない現状があります.したがって,胸腔鏡・腹腔鏡およびロボット支援手術の利点と欠点を充分に理解し,ナビゲーション技術やAI支援などを取り込みながら互いに進化し共存していくことが内視鏡手術の一つの未来像といえます.本誌編集委員として,そのような無限で魅力的な世界観を広く発信し,新規性に溢れる論文を育てるという使命を全うしたいという所存です.

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