特集 呼吸器問題集—呼吸器疾患の糸口とミニマムエッセンスを知る
気管支拡張症
Question 38 48歳男性.主訴「後鼻漏,嗅覚低下の既往」
内藤 翔司
1
,
横井 秀格
1
1杏林大学医学部付属杉並病院耳鼻咽喉科
pp.1223-1224
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620081223
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現病歴 6年前より気管支喘息にて近医一般内科に通院加療していた.そのころより鼻閉,後鼻漏,嗅覚の低下を自覚し,近医耳鼻科を受診したところ両側の鼻腔内にポリープを認めたが,点鼻ステロイドなどを継続処方され経過観察となっていた.4年前に呼吸症状の増悪があり,総合病院呼吸器内科を受診し,好酸球性肺炎の診断にて入院加療を行った.以降,プレドニゾロン40mg/日より約2年かけて漸減投与された.その後,吸入ステロイド薬(ICS)/長時間作用性β2刺激薬(LABA)/長時間作用性抗コリン薬(LAMA)含有吸入薬を処方され,一時改善を認めていたが,感冒症状を認める際や気候の変化に伴い喘息発作が繰り返され,その都度,短期間でのプレドニゾロン漸減投与を繰り返していた.今回,呼吸器内科担当医から生物学的製剤の適応も考慮され,難病指定取得のため好酸球性鼻副鼻腔炎(ECRS)の有無の精査目的に耳鼻咽喉科を紹介受診した.耳鼻咽喉科受診10日前に呼吸状態増悪あり,プレドニゾロン10mg/日を5日間内服していた.呼吸状態は安定しており,鼻症状もほぼ認めない状態であった.
既往歴 糖尿病(DM).
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