特集 呼吸器問題集—呼吸器疾患の糸口とミニマムエッセンスを知る
間質性肺炎
Question 12 50歳男性.主訴「呼吸困難」
川島 光明
1
1東京大学医学部附属病院呼吸器外科
pp.1163-1164
発行日 2025年7月10日
Published Date 2025/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620081163
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現病歴 5年前に健診で異常を指摘されたが症状がなく,様子をみていた.2年前に近医で間質性肺炎と診断されたが〔努力肺活量(FVC)2.36L,%FVC 63.4%〕,以後1年間で急激な進行があり(FVC 1.82L,%FVC 51.7%),専門医に紹介された.CT画像でprobable UIPパターンの所見を認めた.クライオバイオプシーを施行し,検体量不十分であったが,multidisciplinary discussionで特発性肺線維症(low confidence)の判断となった.6カ月前からピルフェニドンを開始したが,3カ月前時点でFVC 1.35L,%FVC 38.4%,%肺拡散能(DLCO)39.4%とさらなる増悪を認め,ニンテダニブの併用を開始した.労作時低酸素を認め,在宅酸素療法の導入が開始されるとともに,肺移植施設へ紹介となった.
既往歴 大腸癌に対してS状結腸切除術(44歳時).
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