胃と腸 11巻11号 (1976年11月)

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パピロトミーの発想と経緯

 遺残胆道結石を非手術的に摘出する方法は古くから試みられ,諸家1)~13)により報告されてきた.しかしこれらはいずれも外胆汁瘻のあるものについてである.近年十二指腸ファイバースコピーの発達に伴い,経内視鏡的に乳頭を切開して結石を摘出しようとする願望は当然のことながら起こった.1972年Erlangenで行なわれた逆行性膵胆管造影に関するInternational Workshop後の歓談の席で,本法が話題となり誰が先鞭をつけるかが話題になった.1973年には動物実験の基礎をもとに,臨床例の成功がそれぞれ独自の方法で,川井14)18),Classen19)~21),相馬22)~27)により報告された.さらに1974年の第3回世界内視鏡学会(メキシコ市)においては,上記3者にKoch28)が加わり,方法論,有用性,適応,合併症について論じられた.以来,世界各地で本法は積極的に行なわれている.1976年ミュンヘンでの本法に関するInternational Workshop44)では,西独では既に500例に及ぶ症例が,その他世界各国の症例を総計すると600例を越える臨床例の報告がある.本邦では10施設以上で本法が施行され170余例45)行なわれている.本年4月の第18回内視鏡学会総会のパネル“Endoscopic Surgery”では,本法の詳細な報告と討論が行なわれた.

 以上が本法の発想の起こりと,現在にいたる経緯であるが,必ずしもその方法論や,適応や意義について意見の一致をみてはいない.殊にその合併症の頻度については,現時点では満足とされながらも問題点は残される.これを機会に本法のわれわれなりの方法,意義,合併症に対する安全対策について述べ,大方の批判をいただきたい.

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 消化管内視鏡学の最近の大きな進歩の1つは,内視鏡検査が単に診断面のみならず,治療面へも盛んに応用されるようになったことであり,現在では治療的内視鏡検査法(therapeutic endoscopy)ともいうべき分野が確立されたといっても過言ではない.この内視鏡直視下の治療法(endoscopic treatment)としては今日,消化管異物の摘出1),難治性潰瘍に対する薬剤の局注療法2),消化管ポリープの切除(polypectomy)3)~5),および消化管出血に対する緊急止血6)7)などが挙げられるが,殊にpolypectomyや緊急止血などは,内視鏡に高周波発生装置を導入するようになって以来,広く一般に行なわれるようになったものである.この高周波発生装置の応用によって,消化管粘膜や病変部の電気的切開や切断,あるいは電気的焼灼凝固などの外科的手術操作に以た処置が内視鏡直視下に行なえるようになった意義はきわめて大きく,高周波発生装置を用いた内視鏡的治療法は特にendoscopic surgery(正確にはendoscopic minor surgeryといったほうが良いかもしれない),あるいはsurgical(operative)endoscopyとも呼ばれている8)9)

 さて,本稿のテーマである内視鏡的乳頭括約筋切開術(endoscopic sphincterotomy,EST)は,十二指腸ファイバースコープ直視下に高周波電気メスを用いて十二指腸乳頭括約筋を切開する方法であり,1973年にわれわれによって胆管結石の非観血的除去を主目的として開発されたものである10)~12).本法は,今日膵・胆道疾患の診断に必要欠くべからざる検査法となっている内視鏡的膵・胆管造影法(ERCP)13)~15)の技術と,内視鏡的polypectomyに応用されている高周波電気メス切断法の技術3)~5)8)9)とを組み合わせたもので,endoscopic surgery(surgical endoscopy)の全く新しい分野への応用といえるものである.本法に関する詳細については既に度々報告してきた12)16)~20)が,本法は比較的安全に施行でき,胆管結石の非観血的除去法として極めて有用であり,内視鏡的polypectomyと共にendoscopic surgery(surgical endoscopy)の中心的な存在となりつつある.本稿では,われわれの現在までの成績を中心に本法の手技および臨床的意義について述べてみたい.

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 胃polypectomyは,部分生検にかわる完全生険とポリープの切除治療との2つの観点から1968年本邦で創始されて以来1~4),ファイバースコープの進歩開発と共に観察し得る全消化管のpolypectomyが可能となった.当初ワイヤーループによる押切り法で始まったpolypectomyは,危惧せられた出血の対策として高周波電流を応用した凝固止血・切断の手順による高周波スネアー法が今では専ら普及している.胃ポリープの性格分類も明らかになり9),内視鏡的polypectomyは,従来の胃切除または胃の部分切除にかわり,患者にとって侵襲の極めて少ない安全な治療法の位置づけがなされた5)

 しかるに,近年でも大出血,穿孔等の偶発症が見られ開腹例や死亡例の報告もある6,7).押切り法には見られなかった高周波電流を用いたための新たな問題がある.実施者の高周波電流およびスネアーの扱い方と偶発症の解決を含め,高周波スネアー法を中心に内視鏡的pclypectomyの実際について述べる.

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 大腸の腫瘍性疾患が欧米で多いことはよく知られている.しかし本邦においても,最近では徐々に増加している傾向にある.なかでも癌との関連性が強いといわれている大腸のadenomatous polypが多く発見されるようになってきた.大腸早期癌の頻度は5~6年前までは非常に低いものであったが,1966年大腸ファイバースコープが開発されて大腸の検査法に導入されて以来,視診ならびに生検にその威力を発揮してきたが,ここ2~3年のうちに摘出ポリープの全部を組織検査するtotal biopsyがendoscopic surgeryにより安全かつ容易に行なえるようになり,早期癌の発見率も向上し,その完全生検としての意義を高めてきたといえる.しかしながらendoscopic surgeryはポリープが良性か悪性かによって以後の処置が重要な意味をもち,また内視鏡を介しての操作であるがために,その処置は絶対に安全かつ慎重に行なわなければならない.

 筆者は1971年7月より米国のDr.Shinyaのもとで177例255個の大腸ポリープの経内視鏡的polypectomyを経験し1),1973年1月以来教室において胃ポリープ22例27コ,十二指腸1例1コ,大腸44例65コ,計67例93コの経内視的polypectomyを行なった.これらの経験をもとにして,今回はendoscopic polypectomyの基本的手技や技術上の問題点,注意点ならびに癌化例における処置,さらには合併症等についても述べてみたい.

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アンケートにご回答をお寄せいただいたのは下記のご施設です.諸先生方に深甚なる謝意を表します.(順不同)

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 司会(城所) お忙しいところをありがとうございました.本日の座談会は,内視鏡的乳頭切開術を話題にするわけでございます.

 この乳頭切開という方法は,本来,外科においてはかなり古くからいろいろと工夫を重ねられてきている方法です.最近,主として総胆管の結石を対象として,内視鏡的乳頭切開術という方法が用いられるようになってきて,内科の先生方にも広くこの方法が普及するようになってきました.このように急速に普及するということの裏には,それに伴う合併症の問題なり,また機能的な問題に対する考慮なりいろいろな面の検討が,これからなされていかなければならないだろうと思います.学会報告をみましても,内視鏡的乳頭切開術はかなりの数に達しているようでありますし,その有用性は,皆等しく認めるところであります.

 本日は,その裏話といいますか,それに対して,こういう心配がありはしないか,こういうところは十分注意をするのがコツであるとか,そういうお話をうかがいたいと思います.

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 諸家の方法については本号の主題で詳述されるであろうから割愛し,原則的には同じであるが筆者の考案したcutting probeと手技について述べてみたい.

 まず,切開用メス(cutting probe)は,Fig.1,2に示すごとく,先端部の位置のX線による検索を容易にするため,先端部に金属の小さなmarkを入れ,その3~4cm下方に切開部のwireが露出するようにしたものである.その特徴としては,①内視鏡的胆管造影直後にcutting probeの選択的胆管内挿管を試み,先端の金属markによってcutting probeが総胆管内に確実に位置しているかどうかをX線イメージで確認しうるので,切開方向のオリエンテーションがつき,誤って膵管を損傷することを避けうる.②先端が細く,腰がやや強いことも手伝って,造影用cannulaよりむしろcutting probeのほうが胆管内に挿入され易い.③先端部すなわち非通電部が総胆管内に深く挿入された状態で切開するため,途中,腸ぜん動や嘔吐反射がおきても抜けることがなく,延長切開が容易である.④手許部を操作して,切開部のwireを緊張させると,おのずからwireは乳頭の12時方向を向くので,切開方向の設定が確実である(Fig.3)ことなどが長所として挙げられる.

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 胃粘膜における腸上皮化生の分布やその成熱程度,機能等を肉眼的に観察する方法として,臨床的には内視鏡検査による色素散布法が,実験的には切除胃標本に酵素組織化学的検査法を導入して観察する方法がある.とくに後者では,これまでにAlkaline phosphatase(ALP)を指標とする方法,二糖類分解酵素を指標とするTes-Tape法,杯細胞産生粘液とAlcian blueとの親和性を利用する方法等がある.

 ALPを指標とし,腸上皮化生を肉眼的に観察する方法としてはStemmermannの方法があり,ALP活性を示す腸上皮化生は赤色を呈する.われわれはStemmermannの方法に用いられているRed-Violet LB saltの代りにfast Blue RR saltを用い,ALP活性を示す腸上皮化生を深青色に染色し,赤色調を帯びた新鮮切除胃標本の正常胃粘膜との判別を容易にすることができた.しかし,ALP活性を示す腸上皮化生は,病理組織学的な腸上皮化生のすべてではなく,ALP染色法による腸上皮化生の分布と病理組織学的腸上皮化生の分布とは必ずしも一致しなかった.そこで,腸上皮化生の最も代表的指標酵素の1つであるLeucine aminopeptidase(LAP)の酵素反応を利用して,腸上皮化生に特異的な呈色反応を起こさせ,肉眼的に腸上皮化生を観察する方法を考案した.これは1-Leucyl-β-naphthylamideに腸上皮化生のLAPを作用させてβ-Naphthylamineを遊離させ,fast Garnet GBCで発色させることにより,腸上皮化生を肉眼的に観察する方法で,反応陽性部分は橙赤色を呈した.このLAP染色法で観察された腸上皮化生の分布は,病理組織学的な腸上皮化生のそれとの一致率が極めて高く,かつALP染色を重ねて行なえるので,酵素活性を異にした腸上皮化生の分布状態を観察することができた(Fig.1).

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 HirschowitzらによりGastroduodenal optic fiberscopeが実用化されたのが1957年で,以来20年に満たぬ今日,消化器内視鏡分野における器具の改良,技術の進歩は著しく,殊に最近の経内視鏡外科的処置の発展は目覚ましいものがある.その一部として1970年,常岡,内田によって創始されたpolypectomyがあり,1971年丹羽がポリープに対する高周波電流の使用を発表することにより,この両者を結びつけ経内視鏡的に高周波電流による消化管のpolypectomyが行なわれるようになった.以来,この方法は数年でかなり全国的に広まり,最近の情況ではポリープのために開腹手術をすることは,むしろ稀になってきている.1972年春,第14回日本内視鏡学会総会で,初めてわれわれが胃内の経内視鏡的処置を目的として作られた2チャンネルの処置用ファイバースコープ(T.G.F.-S Olympus proto-type)の紹介とその臨床成績について述べたが,この中の1つに胃粘膜並びに粘膜下病変の内視鏡診断の一方法として,処置用ファイバースコープの2チャンネルの特性を生かした使い方の報告をした.すなわち,1本のチャンネルを通した把持鉗子で目的部を把み持ち上げ,他のチャンネルを通したスネヤでその基部を絞め高周波電流で切る.この方法でポリープや小隆起性病変を切除する報告をしたが,さらに,胃粘膜下層を含む広く大きい組織をも切除して粘膜の全層および粘膜下層の組織学的検索への資料とする方法,あるいは胃粘膜下腫瘍を覆う粘膜を高周波電気メスまたはスネアーで切開し,切開創より露出した腫瘍に対し直接生検を行なって新しい治療も兼ねた組織診断への道を開発した.この方法を用いると胃粘膜下腫瘍のあるもの,すなわちその形が小さく,かつ極く表在性のものでは胃粘膜の小隆起性病変と同様に切除摘出し得るもので,このような経内視鏡的粘膜下腫瘍の摘出例はわれわれを含めて幾つかの報告例が見られている.しかしその後このような単純な方法でなく,外科手術の原則である切開,止血,縫合,あるいは結紮という処置を駆使して,ある程度の大きさを有する胃粘膜下腫瘍を開腹手術をせずに経内視鏡的に摘出すべく努力を重ねた.けだし今日,胃粘膜下腫瘍の組織診断としては,われわれの方法以外にも注射針による吸引で細胞診を行なう方法等,報告されているが,その治療は開腹後,胃切除,または腫瘍の摘出を行なって後に初めて目的を達する状態である.つまり内科的にはなんら処置し得ないか,処置するとすれば外科的に開腹という侵襲の大きな方法か,どちらか両極端しかない.これに対し,その中間的な方法として行なったのが手術侵襲をできるだけ少なく,かつ後障害のない経内視鏡的摘出術である.いわば在来の内科,外科両者の治療の間隙を埋める1つの試みである.そして,このことが現在抬頭しつつある経内視鏡的外科手術におけるあらゆる手技の総合的応用であり,本法が成功すればこの方面で今後の発達への踏台となると考え,以下に1例を供してその実際について述べると共に,大方のご批判を受けたいと思う.

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 近年の消化器内視鏡の進歩は,消化管疾患の診断のみならず,治療面における応用を可能とした.高周波電流を用いた内視鏡的ポリペクトミー1)~4),出血潰瘍の凝固5)などの治療手技が内視鏡的膵・胆管造影法にも導入され,内視鏡的乳頭切開術が可能となった.本法は総胆管結石の非観血的治療法として開発6)され,1974年,Kawai,K.et al.7),Classen,M.et al.8),相馬ら9)などにより臨床成功例が報告された.その後,本邦および西独などを中心に内視鏡的乳頭切開術の報告10)~19)が増加している.著者らも20)~25)内視鏡的乳頭切開術および胆石除去について発表してきたが,今回,傍乳頭部総胆管十二指腸瘻例で総胆管結石を合併する症例に対して本法の意義を検討し,若干の知見を得たので報告する.

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 同時期または,時期を異なるにせよ,ある個体において異なる臓器に悪性腫瘍が発生することはさほど多いものではないとされてきたが,近年各種診断法の進歩とともに発見率は向上しその報告は枚挙に暇がないほどになってきた.しかし今なお3つ以上の臓器に悪性腫瘍が共存することはかなり稀とされ,本邦において文献上1974年までに22例の報告をみるに過ぎない.最近筆者らは右上顎癌手術6年半後に1型早期胃癌を発見,術中胆囊癌の併存を知り,その後剖検し得た1例を経験したので,若干の考察を加えその概要を報告する.

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 わが国では小腸原発の悪性腫瘍のうち平滑筋肉腫は,10~15%を占めるものと推定され,比較的まれな疾患とされている1).さらに小腸におけるその好発部位をみると,諸外国に比してわが国では明らかに異なっており,回腸における発生はきわめてまれである.最近われわれは,原因不明のまま8カ月余にわたって下血の続いた患者に,本症を経験することができたので,その概要を報告する.

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 最近,われわれは下血を主訴とし盲腸より横行結腸にかけて約50個の浅い潰瘍を有したいわゆる非特異性大腸潰瘍の1症例を経験した.従来,このような症例の記載はないと思われるので報告する.

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 最近われわれの施設でも早期胃癌肉眼分類が制定された当時のような典型的な症例が少なくなり,非典型例や分類困難例が増加する傾向がみられる.

 早期胃癌分類はあくまで肉眼分類であり,“肉眼所見”に忠実であるべきだと思うし,十数年にわたって用いられてきたものだけに簡単に修正するのは,いたずらに混乱を招くだけだとも思う.

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 早期胃癌の肉眼分類が発足して以来十余年,この間症例の著しい増加とともに,分類上の不都合や混乱を生じることもあり,この分類の再検討の必要性が話題となっていた.「胃と腸」では発刊10周年を契機に,この「早期胃癌肉眼分類の再検討」を特集したが,ここでは紙面の都合もあり,この問題に関連する2,3の病型について,いささか私見を述べてみたい.

 現在,わが国では早期胃癌の肉眼分類の使い方に混乱のみられることがあり,その1つはⅡaとⅡcの組み合わせによる混合型である.この組み合わせはⅡcとⅢの組み合わせが,同じ系統の陥凹型に所属しているのに対して,陥凹と隆起という相反する型の組み合わせのため,分類の受けとり方や,使い方が別定者によりまちまちの場合があり,混乱を招いている.ここで本誌特集号の起草案についてみると,「Ⅱa+ⅡcとⅡc+Ⅱaの使い方」の(6)*はⅡc+ⅡaのA案とⅡa+ⅡcとするB案とに意見が分れている.いま分類の基本的立場,すなわち,肉眼的判定を重視する考えをとり入れ,病型の成り立ち方は除外して考えると,(6)はⅡaに比べ広い面積を占めるⅡcがより目立つことから,Ⅱa+ⅡcよりはⅡc+Ⅱaとした方が妥当である.この場合,必要があればsubtypeの考えを入れて,環礁型atoll type(あるいはたむし状)とする.この名称はドーナッツ型に比べ肉眼的イメージが病型により近いためである.

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欧文目次

第1回「胃と腸」賞決定
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 「胃と腸」では創刊10周年を記念し.この度「胃と腸」賞(賞状・賞牌・賞金50万円)を創設致しました,「胃と腸」に掲載された全論文中.年間の最優秀論文に贈呈致します,選考は「胃と腸」編集委員会にて行ないます,

 第1回「胃と腸」賞は.1975年度(第10巻)「胃と腸」掲載論文を対象に慎重審議の結果.下記の如く決定致しました,

編集後記 常岡 健二
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 最近の消化管内視鏡は,その本来の立場である肉眼診断にとどまらず,組織診断を可能にし,さらには治療の一端を担うに至った.ここ10年の間に,内視鏡下の治療応用として,異物摘出,消化性潰瘍の局所注射,緊急止血,polypectomy等があり,また最近では本特集の主題である乳頭括約筋切開術も行なわれるようになった.内視鏡polypectomyはすでに広く普及し,アンケート調査にもある通り,多数施設が多数例の経験を積むに至っている.このような現象は,はやくから予想されてはいたが,これほど身近なものになるとは思っていなかった.

 消化管polypectomyについては,その有用性の主体を治療におきたい気持を捨てがたいが,現在では組織診の正確さ,完全生検に応える最良の方法として本法を認めるべきで,治療そのものは従属的とするのが妥当のように思う.もっとも,大腸のポリープ癌に対する本法による治療の是非については近い将来明らかにされるであろう,アンケート調査にもある通り,出血・穿孔その他の事故例も決して少なくはないので,十分慎重な態度で本法の実施にあたられることを願うものである.

基本情報

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胃と腸
11巻11号 (1976年11月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

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