特集 COVID-19の総括
セミナー COVID-19診療への具体的アプローチUpdate
免疫不全者におけるCOVID-19の特徴と対応
髙橋 健一郎
1
,
鈴木 忠樹
2
1国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所検査診断技術研究部
2国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所感染病理部
キーワード:
▶免疫不全者は重症化や長期ウイルス排出リスクが高く,原疾患や使用薬剤によって免疫抑制の程度が大きく異なるため,症例ごとに個別の評価が重要である.
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▶指針案では免疫不全状態を軽度・中等度・高度に分類し,それぞれに応じた感染管理や治療方針を検討することを提案しており,特に高度免疫不全者には特別な対応が必要であるが,一方で軽度免疫不全者には原則特別な対応は必要ない.
Keyword:
▶免疫不全者は重症化や長期ウイルス排出リスクが高く,原疾患や使用薬剤によって免疫抑制の程度が大きく異なるため,症例ごとに個別の評価が重要である.
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▶指針案では免疫不全状態を軽度・中等度・高度に分類し,それぞれに応じた感染管理や治療方針を検討することを提案しており,特に高度免疫不全者には特別な対応が必要であるが,一方で軽度免疫不全者には原則特別な対応は必要ない.
pp.1859-1863
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.12_017
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はじめに
免疫不全者のCOVID-19の特徴として,重症化リスクが高いこと,患者から長期にわたって感染性ウイルスが排出されることなどがあげられる.これらの特徴は治療方法や原疾患の治療のタイミング,感染隔離解除時期など臨床現場での意思決定に大きな影響を与えるが,こうした決定を支えるエビデンスは十分とは言えない.また免疫不全の背景は患者ごとに異なり同じ疾患であっても免疫不全の程度が異なるため,管理方法が患者ごとに異なる場合がある.これが免疫不全者のCOVID-19対応を複雑にしている要因となっている.エビデンスが乏しい現況では包括的なガイドラインを作成することは困難であり,われわれはAMED(日本医療研究開発機構)研究班で2024年5月までの知見を整理し,「免疫不全者におけるCOVID-19の臨床対応指針案1)(以下,指針案)」として専門家の意見を取りまとめた.

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