特集 COVID-19の総括
セミナー COVID-19診療への具体的アプローチUpdate
COVID-19診療における重症化リスク因子の包括的理解と臨床的アプローチ
南宮 湖
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1慶應義塾大学医学部感染症学教室
キーワード:
▶年齢はCOVID-19重症化の最も強力な予後予測因子であり,特に65歳以上では死亡リスクが指数関数的に増加することが明らかとなっている.
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▶ワクチンの効果,特に症候性感染に対する予防効果は時間の経過とともに低下する.
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▶ワクチンの効果は時間経過や変異株の影響を強く受けるため,接種歴や流行株の特性を考慮したリスク層別化が臨床判断に不可欠である.
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▶COVID-19の重症化リスクとなる基礎疾患は多岐に及ぶ.
,
▶男性は女性よりもCOVID-19重症化・死亡リスクが高い.
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▶日本における大規模研究により,DOCK2遺伝子がCOVID-19重症化のリスク因子となることが明らかになった.
Keyword:
▶年齢はCOVID-19重症化の最も強力な予後予測因子であり,特に65歳以上では死亡リスクが指数関数的に増加することが明らかとなっている.
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▶ワクチンの効果,特に症候性感染に対する予防効果は時間の経過とともに低下する.
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▶ワクチンの効果は時間経過や変異株の影響を強く受けるため,接種歴や流行株の特性を考慮したリスク層別化が臨床判断に不可欠である.
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▶COVID-19の重症化リスクとなる基礎疾患は多岐に及ぶ.
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▶男性は女性よりもCOVID-19重症化・死亡リスクが高い.
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▶日本における大規模研究により,DOCK2遺伝子がCOVID-19重症化のリスク因子となることが明らかになった.
pp.1824-1828
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.12_010
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はじめに
COVID-19のパンデミックは,その発生から数年の間に,臨床管理のパラダイムが大きく変容した.当初は,公衆衛生上の介入が広範な人口集団を対象として行われていたが,ワクチン接種と自然感染による集団免疫の形成,さらにオミクロン株やその亜系統(JN.1,KP.2など)に代表される頻回のウイルス変異に伴い,臨床的管理の焦点は「集団全体の管理」から「個々のリスク層別化」へと変遷してきている1).

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