特集 COVID-19の総括
対談
COVID-19による後遺症の現状と課題
平畑 光一
1
,
松本 哲哉
2,3
1ヒラハタクリニック
2国際医療福祉大学医学部感染症学講座
3同 成田病院感染制御部
pp.1786-1791
発行日 2025年12月1日
Published Date 2025/12/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.12_004
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
対談のハイライト
今回の対談では,多くのCOVID-19の後遺症患者の診療経験を踏まえて,平畑医師に後遺症に関する考え方や診療面の課題などについて語っていただいた.後遺症は現在は広く認知されるようになっているが,当初は医療界からも懐疑視され批判を受けることもあったと聞く.しかし,社会的認知が向上しても5類への移行もあり,COVID-19そのものが軽視される傾向にあり,後遺症の診療体制は十分とはいえない現状がある.診断面では他の疾患との鑑別が重要であり,必要な検査を実施して除外しておくことが推奨されている.治療については漢方薬が有効なケースもあるが,個人差も大きく,患者自身によるセルフケアの重要性を強調されている.なお,診療面では地域間格差が顕著であり,後遺症に関する啓発が必要となっている.平畑医師は医師が患者の訴えを真摯に受け止め,伴走者として支えることが重要であることを強調している.

Copyright © 2025 Bunkodo Co.,Ltd. All Rights Reserved.

