特集 生殖内分泌学と生殖免疫学の接点
種横断的な知見から考える精巣と免疫のかかわり
大谷 祐紀
1
,
市居 修
2
,
昆 泰寛
3
1北海道大学大学院獣医学研究院解剖学教室客員研究員/ エジンバラ大学獣医学部動物福祉国際教育センター博士研究員
2北海道大学大学院獣医学研究院解剖学教室准教授
3北海道大学大学院獣医学研究院解剖学教室教授
キーワード:
精巣
,
免疫
,
アンドロゲン
,
性腺摘出
,
自己免疫疾患
Keyword:
精巣
,
免疫
,
アンドロゲン
,
性腺摘出
,
自己免疫疾患
pp.45-52
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.30.03_0045-0052
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精巣の機能は造精と内分泌である。アンドロゲンは主に精巣の間質細胞で産生され,全身臓器に働く。一般にアンドロゲンは免疫の抑制,エストロゲンはその亢進に働くとされ,免疫関連疾患や感染症,腫瘍の病態には性差がある。動物からの知見では,性腺摘出はそれら疾患の発症や病理に影響し,ヒトでも性別適合手術やホルモン投与による類似の変化が示唆される。一方,精巣は免疫特権領域としての特徴をもち,その破綻は造精障害を導き得る。すなわち,精巣と免疫は相互に機能を制御しており,その関係の理解が重要である。「KEY WORDS」精巣,免疫,アンドロゲン,性腺摘出,自己免疫疾患
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