特集 最新の花粉症診療
最新の花粉症診療 アレルギー性鼻炎の外科的治療
香取 幸夫
1
,
鈴木 淳
,
逸見 朋隆
1東北大学病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科
キーワード:
焼灼法
,
除神経
,
鼻炎-アレルギー性
,
鼻形態異常-後天性
,
鼻中隔
,
鼻粘膜
,
鼻外科
,
鼻甲介切除術
Keyword:
Nasal Mucosa
,
Nasal Septum
,
Nose Deformities, Acquired
,
Cautery
,
Denervation
,
Rhinitis, Allergic
,
Nasal Surgical Procedures
pp.221-224
発行日 2021年2月1日
Published Date 2021/2/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2021136975
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<Headline>1 保存的治療で改善が乏しいアレルギー性鼻炎の患者を対象にして、外科的治療が行われる。とくに重症例で鼻閉が強く、鼻腔の形態異常を伴う症例では、適切に手術を行い、薬物療法や根治治療(免疫療法)を組み合わせることで、大きな治療効果がある。2 手術は前鼻孔から行う低侵襲なもので、日帰りから入院を要するものまで様々な方法がある。日帰りでは鼻粘膜焼灼術が行われ、1年間前後の効果が期待される。3 数日入院で行う手術として、鼻閉の改善には下鼻甲介切除が、鼻漏やくしゃみの改善には副交感神経と知覚神経を遮断する後鼻神経切断術が有効である。4 手術後には出血と疼痛への対処、ならびに局所処置や薬物療法が重要である。とくに手術直後は一過性に痂疲の付着や腫脹が生じるので、通院治療が必要である。5 手術治療は重度症状の改善に有用な一方で、鼻粘膜のもつ生理的な機能である加温・加湿・除塵を減退させるものであることから、過度の手術適応や過度の手術操作を避けるべきである。
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