腰椎術後低髄圧症候群を発症し保存的治療で良好な経過をたどった小脳出血の1例と救命しえなかった脳ヘルニアの1例

Cerebrospinal fluid hypovolemia syndrome with benign course of cerebral hemorrhage receiving conservative treatment and with malignant course of cerebral herniation；report of a case

　脊椎脊髄手術において，術後低髄圧症候群に続発する非常にまれな合併症として頭蓋内出血の報告がなされている^1,2）．発症すると重篤な後遺症を残す可能性が高く，場合によっては死にいたることもある．われわれは，腰椎術後低髄圧症候群から小脳出血を発症し，保存的治療で良好な経過をたどった1例と，脳ヘルニアを発症し，手術的治療を施行するも救命しえなかった1例を経験したので，文献的考察を加えて報告する．