特集 大脳皮質—成り立ちから機能へ
特集「大脳皮質—成り立ちから機能へ」によせて
岡本 仁
1
1理化学研究所脳科学総合研究センター
pp.2-3
発行日 2017年2月15日
Published Date 2017/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200563
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
大脳皮質は,脊椎動物の脳の進化の過程で哺乳類だけが獲得した構造である。人間だけが持つ豊かな心の機能も,この大脳皮質が進化的に発達を遂げてきた結果として生まれたと考えられる。したがって,大脳皮質の構造がどのように作られるのか(発生するのか)を知り,その構造がどのような機能につながっているのかを知ることは,心の誕生のメカニズムを解き明かすためにも極めて重要である。
大脳皮質は,同じ層のなかで横方向の類似性を示す神経細胞からなる6層の層状構造に加えて,6層を縦に貫く柱(カラム)のなかで神経細胞が機能的な類似性を示す縦方向の単位の繰り返しを持っている。このような横と縦に一定の類似性を持つ構造のなかに,興奮性神経細胞と抑制性の介在神経細胞に加えて,それを取り巻くグリア細胞が分布している。
Copyright © 2017, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.